インターネット光回線の新規導入について

今回、新たに増設した光回線の工事は、高層棟の住民の方が新たに光回線の高速インターネットを導入できるようにしたものです。すでにインターネット回線を導入している高層棟住民の回線速度が向上するというものではありません。

今回の工事によって、高層棟のインターネット回線がどのように変わるのか、どのように導入したらよいのか、などについて簡単にご説明します。ちなみに低層棟では、各住居まで光ケーブルが引けるようになっているので、すでに高速な光回線を利用できる環境になっています。

高層棟インターネット回線の現状と工事の理由

現在パークシティの高層棟では、主として3つのインターネット回線が利用できます(携帯電話のテザリングは除きます)。

  • NTTの光回線(VDSL方式)を利用した回線
  • イッツコムのケーブルテレビ回線を利用した回線
  • U-NEXTの光回線(LAN方式)を利用した回線

どの回線も最大転送速度は100〜160Mbps程度です。NTTの光回線はパークシティまでは最大1Gbpsの高速回線でデータがくるのですが、パーク内の回線が旧来の電話回線を利用したVDSL方式であるために、最大100Mbpsに減速されてしまいます。混雑しているときには2〜3Mbpsになったりして、とても遅くなることもしばしばあります。

とても簡略化した例えをすると、VDSLなどの現在のパークの回線は「一車線しかない一般道路」で、光回線を使った新たな回線が「4車線ある高速道路」といったイメージです。当然、高速道路の方が高速になります。ただし、一般道であっても車が少なければスイスイ進みますし、高速道路でも渋滞になれば低速になることもあります。

しかし、マンション内に光ファイバーを使った、NTTの光回線やNURO光などの新たに導入しようとしても、高層棟には光ファイバーを通すスペースがありませんでした。

今回、新たに光回線を各住居に引けるようなパイプスペースの工事を行いました。これによってNTTやNUROなどの業者が、高層棟に光回線を敷設可能になり、新たに光ファイバーによる高速な光回線を導入できるようになります(後述しますが、一部導入できない住居もありえます)。

工事の詳細については、先に公開した資料に詳しく記載しておりますので、そちらをごらんください。

新たに光回線を導入しようとしている方に

現在、NTTの光回線(VDSL)を導入している方も、イッツコムやU-NEXTなどの他社回線を利用している方も、光ファイバーの高速な光回線を導入するには、新たな申し込みと工事が必要になります。こうした申し込みと工事の費用は、導入する方の個人負担になります。

また回線を変更することで、現在使っているプロバイダのメールアドレスが変更になることもあります。

インターネット接続の基本事項

ごく一般的な基礎知識ですので、わかっている方は読み飛ばしてください。インターネットに接続するには、回線業者とプロバイダの両方と契約する必要あります。

回線業者は、ネット接続の回線を提供します。NTTやNUROの光回線であったり、イッツコムのCATV回線であったりします。

プロバイダは、ユーザーがインターネットに接続するための業者で、契約することでインターネットに接続でき、メールアドレスが支給されたりします。メールアドレスの@マークの後ろについている部分がプロバイダ名になります。たとえば「xxx@biglobe.ne.jp」なら「biglobe.ne.jp=ビッグローブ」というプロバイダになります。

さらに、回線業者とプロバイダが一緒になっているケースがあります。たとえばイッツコムやU-NEXTは回線を提供するだけでなく、プロバイダも兼ねています。たとえばイッツコムなら「itscom.net」になります。NURO光もプロバイダは「so-net」が指定されており、そのほかのプロバイダは選べません。

高速光回線で選択できるのはNTTとNURO

今回、新たに高速な光ファイバー工事によって、住民が導入できるのは、NTTのフレッツ光とNURO光マンションです。住民が選択できるパターンは、以下の3通りです。

NTTと契約

回線はNTTのフレッツ光と契約し、プロバイダは別途自分で選択して契約可能。上り1Gbps、下り1Gbpsというコースが利用できます。

◎メリット
現在使用しているプロバイダ(OCNやNIFTYなど)を変えずにすむので、メールアドレスを変更する必要がない。

●デメリット
回線とプロバイダを別々に契約して支払いをする手間がある。

光コラボでNTTと契約

プロバイダや携帯電話会社が、NTTのフレッツ光と一緒に提供するサービス。「ドコモ光」や「auひかり」、「OCN光」などさまざま。

◎メリット
回線とプロバイダの契約が一括なので楽。問い合わせ先も1つですむ。現在使っているプロバイダでコラボ光があれば、メールアドレスを変える必要がない(イッツコムでも「かっとび光」というコラボがある)。携帯電話の割引があったり、高額なキャッシュバックがあったりと、会社によってさまざまなサービスがある。

●デメリット
会社によってサービスや料金の違いがあるので、自分にとって最適なところを選ぶのが少したいへん。

NURO光

今まで取り扱いができなかった回線業者で、回線と同時にプロバイダもNUROで契約します。

◎メリット
理論上の下りスピードが2Gbpsと高速な仕組みを採用している(NTTに比べて2倍速くなるわけではありません)、毎月の価格がNTTよりも少し安い。

●デメリット
プロバイダがso-net以外を選択できない。工事費が高く、引っ越しなどで解約する際には、残金の支払いが生じる。

各プランの料金比較

それぞれのプランでかかる費用などの違いです(2021年10月1日現在の暫定的な情報です)。そのほかにも契約事務手数料がかかったり、工事が土日の場合はオプション価格が追加されるなどの費用がかかることもあります。最終的な価格については、業者からの案内をご確認ください。

NTT「ギガスマート」光コラボ(例:ドコモ光)NURO光マンション
月額料金3685円4400円(2年定額契約)2090円~2750円(加入者数による)
プロバイダ料金別(550円〜)月額料金に含む月額料金に含む
工事費新規:16500円
VDSLから変更:0円(*1)
16500円(*2)44000円(*3)
その他工事費については、土日に行う場合に、追加料金がかかる場合がある。キャッシュバックやドコモの携帯電話の割引など。契約によっては携帯電話などと同様に2年しばりなどがあり、更新月以外で解約すると違約金がかかるなどの条件がある。キャッシュバックやソフトバンクの携帯電話の割引など。携帯電話などと同様に2年しばりなどがあり、更新月以外で解約すると違約金がかかるなどの条件がある。

*1 VDSL方式→光配線方式へ変更する場合:工事料金16,500円⇒0円(期間限定) 対象期間 2021年10月1日~2022年1月31日受付 ~2022年7月31日開通までのキャンペーン。
*2 一般的な工事の場合で環境によっては変動することもある。2年間で分割するか、一括で支払うか選べる。光コラボのプランによっては無料である場合も。
*3 工事費を36カ月で毎月支払う金額(約1222円)が毎月の使用料金から割引になるので実質0円。ただし途中で解約した場合は、残金を一括で支払う必要がある。

詳細は申込時の資料や説明会などで確認

光回線の工事が始まると、NTTやNUROからチラシが配布されたり、説明会が行われたりします。最終的なプランや価格については、そちらをご確認のうえお申し込みください。

また光コラボによる申し込みは、すでに光回線が通っているマンションでなければできないケースがあります。そちらはプロバイダやキャンペーンサイトなどに直接お問い合わせください。

光回線導入についてのあれこれ

光回線を導入することで、今までとは環境が変わります。場合によっては、光回線を導入してもインターネット環境が改善しないこともあります。光回線の導入によって起こりうる疑問点などをいくつか記載してみます。

導入できないというケースもあります

光回線の申し込みをされた場合には、各部屋内まで新たな工事が必要です。その際、部屋によってはリフォームや配管不良などによって、開通できないというケースもあります。開通できるかどうかは、申し込みをしたあとに行われる事前調査によって判明します。通常ルートで配管できない場合、別の工事によって開通できるケースもありますし、どうしてもできないというケースもあります。詳しくは申し込んだ事業者にご相談ください。

必ずしも高速になるとは限りません

VDSLの理論値が100Mbpsなのに対し、光回線は1〜2Gbps(1000〜2000Mbps)ですから、10倍速くなるように感じられますが、実際にそんなに速くなるわけではありません。いくつかの理由があります。

1 回線は共用されている

もともと光回線は1つの回線を複数世帯で共用しているので、その混雑具合によって速度は大きく変動します。またプロバイダの混雑具合によっても速度は変動します。人がたくさんアクセスしている時間帯は混みますので、速度が低下することがあります。ただし従来のVDSLに比較すれば、それなりに快適になるはずですが、過度の期待は禁物です。

2 パソコン環境が古い

光回線を導入すると、ルーターは新しいものに変更されます。そのルーターと接続するパソコン環境が古い場合、速度が制限されるケースがあります。ルーターとパソコンは、無線LAN(Wi-Fi)または有線LAN(ケーブルで接続)で接続します。これらの無線LANや有線LANには規格があり、これが古い場合は速度が制限されます。

●無線LANの場合
Wi-Fiの規格は数年に一度更新されて、新しい規格ほど高速になっています。最新の規格は、「IEEE802.11ax(別名Wi-Fi6)」で、それ以前は「11ac(Wi-Fi5)」、「11n(Wi-Fi4)」などと、数字の末尾につく記号で区別されています。最新規格の「ax」なら2402Mbpsの転送速度(理論値)ですが、古い規格の「n」では150Mbps程度です。パソコンに搭載されている無線LAN子機の規格が古ければ、その速度に制限されます。
※無線LAN規格の詳しい情報は、バッファローのサイトなどを参照ください。

●有線LANの場合
有線LANも、古いパソコンでは100BASE-Tという最大転送速度が100Mbpsの規格のものが使われています。このLAN端子では、100Mbpsまでが限界ですので、それ以上の速度では転送できません。最近のPCでしたら1000BASE-TX(ギガビットイーサ)という規格の端子が搭載されており、こちらは最大1Gbpsですので、光回線に十分対応できます。

パソコンがあまりにも古いと、無線LANや有線LANの規格が古いだけでなく、CPUの速度や画面表示の速度も遅いことが少なくありません。その場合は、インターネット回線を変えたからといって、パソコンの使用が快適になるとは限りません。

3 無線LANの接続環境が悪い

無線LANは電波でデータを転送するので、ルーターとパソコンの間に障害物があると電波が届きにくかったり、接続が不安定になったりします。ルーターの設置場所が金属の扉で覆われていたりすると電波が届かなかったりして、光回線にしたところで十分な効果を感じられません。
※ルーターの設置場所などについては、こちらのサイトが参考になります。

今までのメールアドレスを使いたい

今まで使っていたプロバイダのメールアドレスを使い続けるには、NTTの光回線か、プロバイダの光コラボを利用するのがよいでしょう。たとえばイッツコムの場合は、プロバイダのみの契約ができないので、イッツコム提供の光コラボを利用すればメールアドレスは変わらずにすみます。

光回線はNUROを使いたいという人は、プロバイダがso-netに限定されます。でも今まで使っていたメールアドレスを使いたい、という人は、プロバイダの「メールアドレスのみの契約」を利用する方法もあります。

OCNやniftyなどの大手プロバイダでは、月に200円程度〜でメールアドレスのみの契約ができます。今まで使っていたプロバイダの契約をそちらの契約に変更すれば、NUROに変えてもアドレスは維持できます(ただしイッツコムにはこのサービスはありません)。
※どのプロバイダが対応しているのかは、こちらのサイトが参考になります。

電話番号が変わることがあります

インターネットの光回線を導入するときに、固定電話の回線もインターネットを使った光電話に変更することができます。従来のアナログ電話回線よりも基本料金や通話料金も安く抑えられます。ただし、アナログ電話と違って、停電やインターネットが使えないときには電話も使えないといったデメリットもあります。

現在NTTの電話回線を使っている方が、NTTのフレッツ光やNURO光を導入するときには、現在の電話番号をそのまま移行することができます。NTTの光回線を利用している方が、NUROに移行する際も番号を移行することが可能です。

しかしNTT以外の業者(たとえばOCNなどの光コラボなど)で発行された電話番号は、NUROなどの違う業者に移行すると電話番号は移行できません。電話回線を移行する際には、電話番号がどのようになるかを、業者に確認しておくほうがいいでしょう。


以上、光回線の導入にあたっての注意点や、選択のポイントなどを記載しました。導入検討の参考になれば幸いです。

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